最近、ジャニーズグループの中でも関西出身勢の活躍が目立つ。例えば、関ジャニ∞が『TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2017(METROCK)』へ出演したり、関西ジャニーズJr.の道枝駿佑がテレビドラマ『母になる』(日本テレビ系)で主人公の息子・柏崎広役に大抜擢されたりと、様々な活躍が目に留まる。なぜ今、関西出身ジャニーズに注目が集まるのか。直近の活動から、それぞれのグループの特徴について考えてみたいと思う。

 関西出身ジャニーズの先駆者といえば、KinKi Kidsだろう。今年デビュー20周年を迎える彼らの活動は、これまでと比べてもかなり活発だ。堂本光一は3月で一旦幕を下ろした舞台『Endless SHOCK』の大阪・福岡公演が、堂本剛は今夏『SUMMER SONIC 2017』『イナズマロック フェス 2017』への出演が決定。他にも、挙げきれないほどの活動が予定されている。その中でも注目したいのが、音楽番組への出演だ。7月16日には『KinKi Kids 20周年記念 ライブ特別番組(仮)』(日本テレビ系)、7月17日には『MTV Unplugged: KinKi Kids』(MTV)、そしてCDデビュー日の7月21日は『LOVE LOVE あいしてる 16年ぶりの復活SP』(フジテレビ系)が放送される。アーティストとしても俳優としても第一線で活躍し続けるKinKi Kidsだが、吉田拓郎を始めとする多くのミュージシャンたちから受け継いだ“音楽の血”は、彼らを創る重要な要素の一つとなっているのである。

 様々なアーティストと共演を重ねているジャニーズといえば、関ジャニ∞も挙げられるだろう。『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)で多くのアーティストたちとコラボを実現し、新アルバム『ジャム』にもUNICORN、水野良樹(いきものがかり)、岡崎体育など名だたる音楽家たちが名を連ねている。バラエティのイメージが強い関ジャニ∞だが、METROCKでの盛り上がりからも分かる通り、アーティストたちとのコラボを通じて磨いてきた音楽の腕は確かなものである。最近では、音楽番組でバンド形式のパフォーマンスをすることも少なくない。この先出演が決まっている『テレ東音楽祭2017』(テレビ東京系)、『SONGS』(NHK総合)、『THE MUSIC DAY 願いが叶う夏』(日本テレビ系)でも、“アーティスト・関ジャニ∞”としてのパフォーマンスに期待したい。

 さらに独自のパフォーマンスを確立しつつあるのが、ジャニーズWESTだ。デビューからまだ日が浅いこともあり、個人での活動も積極的に行ない、グループの知名度を上げている最中ではあるものの、「微笑ましいワチャワチャ感」「笑いもできるジャニーズ」など彼らなりのカラーがパフォーマンスに盛り込まれている。そもそも、ジャニーズWESTの7人はJr.時代からクオリティが高い印象があった。各メンバーは7WEST、B.A.D.など別ユニットの所属ではあったが7人揃ってパフォーマンスすることも多く、完成度はデビュー組に引けを取らないほどだった。ジャニーズWESTとしてデビュー後は、アイドル活動以外に演技やバラエティも精力的にこなし、さらにスキルを伸ばしている。本日6月20日放送の『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ系)にも、桐山照史・重岡大毅・藤井流星が出演し、パンスト芸や鼻リコーダーなど芸人顔負けの一発芸に挑戦。このアイドルらしからぬチャレンジも、ジャニーズWESTのカラーとして昇華されていくのだろう。

 そして、昨今では関西ジャニーズJr.の面々も大きな注目の的となっている。映画『PとJK』、11月3日公開予定の映画『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』、日清オイリオグループ「鮮度のオイルシリーズ」のCMには西畑大吾が出演。6月3日には、室龍太がバラエティ番組『おかべろ』(フジテレビ系)に今井翼と共に出演した。西畑や室に代表されるように関西ジャニーズJr.たちは、CDデビューこそしていないが洗練された雰囲気がある。まごうことなきアイドルの原石である証拠だ。今後予定されている、舞台『少年たち 南の島に雪は降る』や8月26日公開の映画『関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生!!』にはフレッシュな関西ジャニーズJr.も総出演するという。彼らの“できジュ(=できるジュニア)”ぶりが全国に知られるのも、時間の問題だ。

 関西出身ジャニーズたちの共通点は、「個々のスキルの高さ」だと思う。関東と比べて、全国に名を知らしめるチャンスが少ない下積み時代を経てきているからこそ、アイドルとして踏ん張るべきタイミングを理解し学びの姿勢を持つことで、高い水準のスキルを身につけているのだろう。今後も関西出身ジャニーズたちの活躍から目が離せない。