最近盛り上がりをみせる喫煙規制の議論。6月20日にはタレントの山田邦子(57)が受動喫煙防止プロジェクトの記者会見に登場した。2007年に乳がんを患った山田は、自身の喫煙経験からも「たばこの煙について向き合ってみようと思った」とコメントし、禁煙ムードが漂う世間と大きくズレた芸能界の喫煙事情にも踏み込んだ。山田いわく、芸能界では「可愛いアイドルから演歌の大御所まで、8割方が吸っている」そうで、「キムタクはタバコを吸い過ぎ」「坂上忍くんも楽屋がくさい」とテレビ業界で大物扱いされる2人を酷評。
奇しくもこの日に木村拓哉(44)はバイクへの追突事故を起こしており、SMAP解散に元メンバーのジャニーズ退所問題などで風当たりが強くなっているなか、「キムタクそんなに煙草吸うのか~ 臭そうで嫌だわ」という声まで上がってしまい、散々な日に。ヘビースモーカーであることを公言している坂上はともかく、なぜ「キムタク」の名前を並べたのかはわからないが、“元”SMAP、だからだろうか。全員喫煙者ながら人気絶頂の嵐のメンバーや、「可愛いアイドル」の名前を出さなかったのは山田邦子なりの配慮なのかもしれない。山田は「日本の空気は海外に比べてくさい」「五輪開催を控えて“本当のおもてなし”とは何かを考えなくてはいけない」と語ったが、芸能界のみならず、日本全体で煙草に関する取り組みは遅れていることがたびたび指摘されている。

 受動喫煙防止策の強化案は自民党の反対で先送りにされており、居酒屋が禁煙になるかもしれないという報道があれば「居酒屋でタバコ吸えないなんて信じられない」とブーイングが目立つ。4月にはWHOの事務局次長に東京オリンピックの受動喫煙防止対策を徹底するよう指導されていたはずなのだが、それも実現できるかどうか危うい状態だ。

 最近では煙草を吸う本人の「一次喫煙」、副流煙を吸い込む「二次喫煙」の他に、衣類やカーテンに染み付いた有害な成分を吸い込んでしまう「三次喫煙」までも研究結果が上がっており、今回のイベントを主催した一般社団法人の「全国がん患者団体連合会」は国会議員に対して受動喫煙防止策の要望書を提出したとして会見も開いている。

 会見で山田が「影響力のあるメンバーを狙って、タバコを止めさせるように説得したい」と語っているように、舘ひろし(67)や和田アキ子(67)のような大物が禁煙に成功した際には世間でも大きな反響が上がった。テレビが相変わらず“マス”メディアであり、芸能人が大きな影響力を持つことは今も間違いないだろう。

 「タバコ問題首都圏協議会」では毎年「タバコをやめてもらえばタバコの害を考えるきっかけになる著名人」を選定しているが、5月に発表された今年のランキングには太田光(52)や妻夫木聡(36)、マツコ・デラックス(44)などがランクイン。喫煙者だと公表していない戸田恵梨香(28)もなぜかランキング入りしてしまっているのはかわいそうだが、ここに挙げられている芸能人がタバコをやめるようなことがあれば、確かに影響力は大きそうだ。