毎週土曜日に放送されている連続ドラマ『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)は、『関ジャニ∞』の錦戸亮が主演で、仕事ができない男がどうやって出世するかというテーマの物語だ。その物語内で錦戸演じるサラリーマンの小林司の姉を務める、江口のりこの“怪演”ぶりが話題を呼んでいる。

「江口の演じる小林みどりは、弟夫妻のマンションに勝手に入り浸っては多国籍でスパイシーなスープばかり作り、妊婦である司の妻の沙也加(松岡茉優)の体調を崩させたり、鍵を勝手に持ち出したりとやりたい放題をしている人物でした。しかし、ケバブを作っている外国人の彼氏ができて、司のマンションを出て行くことになったのです」(芸能記者)

シリアスなトーンで広告代理店の熾烈な競争を描く同ドラマにあって、まるで世界を股にかけて外国人と恋愛したり、外国料理を作って弟夫妻に振る舞う江口は、ドラマではかなり浮いた存在だ。

「特異な役であるが故に、視聴者には強烈なインパクトを残しています。江口は昨年放送のドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)でも、ゴスロリが好きなヤリ手の校閲ウーマンを演じました。このときにも、説教くさいことを言う割には、若さやあどけなさも残しており、なかなかエキセントリックな強い印象を視聴者に残したと思います」(脚本家)

江口は主人公を慌てさせたり、意外な一面を引き出すための“劇薬”としてキャスティングされることが多い。『黒革の手帖』(テレビ朝日)の第3話でも登場するなど、いま勢いにのっている印象もある。

笑福亭鶴瓶も江口を絶賛
江口は『劇団東京乾電池』のオーディションを受けて研究生となり、2000年に入団。2002年に『金融破滅ニッポン 桃源郷の人々』で映画デビューし、2004年にはタナダユキ監督の『月とチェリー』で主演に抜擢されて注目を集めている。江口は劇団の研究生になったときにこんな殊勝なコメントを残している。

「劇団に入るまで、たくさんのバイトを経験しましたが、いつも『こんなことをしていていいのかな』と思ってしまい、長続きしませんでした。でもお芝居は違った。稽古が楽しくてしかたがなかった。ようやく自分の好きなことができるという幸せを毎日感じていました」

トーク番組でも面白い話で場を盛り上げることが多く、あの笑福亭鶴瓶も江口を絶賛しており、一緒に飲みに行く仲だという。

「ヌードも辞さない根性の持ち主で、受けた仕事は本当にありがたがっており、シナリオがぼろぼろまで読み込むとも伝えられています。奇天烈なイメージがあると思いますが、実力のある女優には違いないでしょう。そろそろ彼女がナンバー2くらいのサブ主演を務めるドラマが作られてもいいと思います」(テレビ雑誌記者)

個性派女優が少なくなってきたなかで“劇薬”としてキャストされつつ輝きを見せる江口。今後に期待だ。