中日新聞東京本社の契約カメラマンによるジャニーズ写真転売問題で、新たな動きだ。一報を伝えたのは「週刊新潮」(新潮社)。50代の契約カメラマンX氏が芸能イベントなどで撮影したジャニーズアイドルの写真を無断で転売していたという。今年7月、同社で内部告発があり、X氏の写真と出品された写真が一致したことから、犯行が発覚。販売された生写真には「嵐」や「関ジャニ∞」、「Kinki Kids」ら人気グループも含まれる。

タレント肖像権などにうるさいジャニーズ事務所だけに、中日新聞社内は戦々恐々。流出した写真の中にはNHK紅白歌合戦のものも多数含まれていたため、幹部社員はジャニーズ事務所はもとより、NHKにも謝罪に赴いたという。

先延ばししていたX氏の処分も決定。12月1日付で社内に掲示があり、11月30日付で諭旨退職となった。懲戒免職に次ぐ重い処分で「社員に甘いとされる中日新聞では珍しい対応」(内部関係者)。

新たな事実も判明した。当初、写真はネットオークションを中心に出品されたと報じられたが、X氏はこれを否定。自らネットオークションで販売したことはなく「第三者に転売していた」という。報酬は「1回につき2~3万円」で、過去10年間で約200回、金額にして400~600万円を得ていたという。

「転売先の第三者にはジャニーズ事務所やNHKから取材NGを食らっているメディアも含まれています。彼らはX氏のような人からジャニーズの写真を買い取っている。X氏が業界追放となり、NG媒体は写真の入手先がなくなったわけですから、頭を抱えているでしょう」とワイドショー関係者。

中日新聞社内ではデータ流出の手口をめぐっても騒然となった。前出内部関係者の話。「X氏は自ら撮った写真だけではなく、写真部のデータベースにアクセスして、データをハードディスクに保存していたそうです。問題なのは、一介の契約カメラマンが社内データベースに簡単に侵入できてしまう管理体制。この件をめぐっては、直属の上司も処分対象になったそうです」

一方でマスコミ業界では、この手の写真転売は氷山の一角という話もある。

「同じようなアルバイトをしているカメラマンはごまんといる。契約カメラマンは収入も低く、本業だけでは食えない人もいますからね。それが今回は内部告発でバレた。同僚社員とX氏がトラブルになったとしか考えられない」(他社カメラマン)

なお、トーチュウを追放されたX氏はカメラマンの仕事は続けていくという――。